暗号資産ベンチャー企業のShima Capitalは、米国証券取引委員会（SEC）が創設者のYida Gaoを投資家詐欺の疑いで提訴したことを受け、「秩序ある清算」を開始しています。SECの訴状は11月25日に提出され、Gao氏とShima Capitalが約1億7,000万ドルを調達する際に虚偽および誤解を招く発言を行ったと非難しています。
SECの訴訟の核心は、2021年から2023年にかけて使用されたピッチデックにあります。このデックは、Gao氏の投資実績を誇張し、実際には2.8倍のリターンだったにもかかわらず、過去の投資で90倍のリターンを達成したと主張していました。
「少なくとも2021年5月から2023年3月まで、Gao氏とShima Capitalは、Gao氏の投資実績に関する重大な虚偽表示を含むマーケティングピッチデックを使用し、暗号資産に特化したベンチャーファンドであるShima Capital Fund Iの会員権を提供・販売することで、349人の投資家から1億5,800万ドル以上を調達しました」とSECの訴状は述べています。
別のスキームでは、SECはGao氏がBitCloutトークンへの投資を目的とした特別目的事業体（SPV）のために1,190万ドルを調達し、投資家に大幅な割引を約束したと主張しています。Gao氏はトークンを割引価格で取得したものの、SPVにはより高い価格で販売し、開示されていない190万ドルの利益を個人的に保持していたとされています。
SECの措置を受けて、Gao氏は内部メールでマネージングディレクターを辞任し、ファンドを清算することを発表しました。カリフォルニア北部地区連邦検事局も、Gao氏に対する並行する刑事訴訟を公開しています。
機関投資家の見解
Shima Capitalの崩壊は、暗号資産VCセクターにとって厳しい警告となっています。長年にわたり、プライベート暗号資産ファンドのパフォーマンス指標は非常に不透明でした。SECが誇張された実績に注目していることは、新たなコンプライアンスの局面を示しています。
リミテッドパートナーは今後、デューデリジェンスを強化し、監査済みのリターン証明や流動性の低いトークンの評価についても厳しく問いただすでしょう。この措置は、暗号資産ファンドマネージャーの「信頼してほしい」というモデル全体に警鐘を鳴らすものです。
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