Shibrobi：自動ステーキング、NFT、ゲームを融合した分散型金融プラットフォーム
Shibrobiのホワイトペーパーは、プロジェクトのコアチームによって2022年2月に発表され、ミームコインのコミュニティ活力と分散型金融の実用性を融合し、暗号愛好家のために安全かつ公平なエコシステムを構築することを目的としています。
Shibrobiのホワイトペーパーのテーマは「世界最強のShiborg」というビジョンを中心に展開されています。その独自性は、自動ステーキングメカニズムによって取引手数料の2%を保有者に分配し、NFTプラットフォーム、P2Eゲーム、メタバース体験を含む総合的なエコシステムを構築している点にあります。Shibrobiの意義は、DeFi分野に新しいミームコインのパラダイムを導入し、ユーザーの参加と価値獲得を高めることにあります。
Shibrobiの初志は、オープンでインタラクティブかつバランスの取れた暗号世界を作ることです。ホワイトペーパーの核心的な主張は、自動ステーキング収益とNFT、ゲームなど多様なエコシステムアプリケーションを通じて、コミュニティ主導で暗号資産の実用性と持続的成長を実現することです。
Shibrobiホワイトペーパーの概要
Shibrobiとは何か
皆さん、今日はShibrobi（略称SHIBORG）というブロックチェーンプロジェクトについてお話しします。これは「柴犬」と「サイボーグ」（半分機械の人間）の要素を組み合わせたデジタルワールドだと考えてください。イーサリアムという高速道路（つまり私たちがよく言うイーサリアムブロックチェーン、ブロックチェーンは公開かつ改ざん不可能なデジタル台帳だと理解してください）上で動いています。
Shibrobiは単なるデジタル通貨ではなく、想像力に満ちたデジタル遊園地のような存在です。主なターゲットは、ゲームが好きで新しいものを探求し、分散型金融（DeFi、簡単に言えば銀行などの仲介を介さない金融サービス）に興味がある人たちです。また、教育にも特に力を入れており、楽しい方法でより多くの学生が科学・技術・工学・数学（STEM）分野に関心を持つよう促すことを目指しています。
このデジタル遊園地では、いくつかのことができます。例えば、彼らが開発した「遊んで稼ぐ」（P2E、Play-to-Earn）ゲームに参加し、ゲームをプレイしてSHIBORGトークンを獲得したり、独自の分散型取引所RobiSwapで様々なデジタル資産を簡単かつ迅速に交換したり、将来的にはVRデバイスを装着して没入型のバーチャルリアリティゲームを体験することもできます。
プロジェクトのビジョンと価値提案
Shibrobiプロジェクトのビジョンは、少しユニークです。単に暗号世界で盛り上がるだけでなく、自らの影響力を通じてSTEM分野に興味を持つ学生を刺激し、支援したいと考えています。彼らは「デジタルメンター」のような存在を目指し、実践的な学習プロジェクトを提供することで、子どもたちが幼い頃からテクノロジーの魅力に触れ、将来大学で関連分野を専攻することも支援します。ホワイトペーパーには、XBotRoboticsという団体に寄付を行い、この教育活動をサポートする計画が記載されています。
彼らが解決したい核心的な課題は、エンターテインメントと分散型金融サービスを提供するだけでなく、社会的責任も担うことです。同種の多くのプロジェクトと比べて、Shibrobiのユニークな点は、ミームコイン（Meme Coin、ネット文化やジョークから生まれた暗号通貨）のコミュニティ性、P2Eゲーム、VR体験、そしてSTEM教育へのチャリティ支援を組み合わせていることです。これは暗号通貨分野では珍しい組み合わせです。
技術的特徴
Shibrobiプロジェクトは主にイーサリアムブロックチェーン上で動作しており、そのトークンSHIBORGはERC-20規格トークン（ERC-20はイーサリアム上で最も一般的なトークン規格、統一された通貨フォーマットのようなもの）です。イーサリアム自体のセキュリティと分散性がShibrobiの基盤となっています。
主な技術コンポーネントは以下の通りです：
RobiSwap
これは分散型取引所（DEX、中央集権的な会社が管理しないデジタル通貨取引プラットフォーム）で、ユーザーはウォレット間で様々なERC-20トークンを迅速かつ安全に直接交換できます。デジタル通貨の自由市場のようなもので、売り手と買い手が直接取引し、仲介者は不要です。
P2Eゲーム
Shibrobiは、クラシックゲーム「ロックマン」（MegaMan）にインスパイアされた「遊んで稼ぐ」ゲームをリリースする予定です。プレイヤーはSHIBROBIキャラクターとなり、ミッションをクリアしたり敵を倒したりして、楽しみながらSHIBORGトークンや他のユニークなデジタル報酬を獲得できます。つまり、ゲームを楽しみながら実際に価値のある報酬も得られるのです。
VRゲーム
さらに期待されるのは、Oculusプラットフォーム対応のバーチャルリアリティ（VR）一人称シューティングゲームの開発計画です。「サイボーグ柴犬」のアーマーを身にまとい、バーチャル世界で没入型のバトルを体験できると想像してみてください。これによりSHIBORGトークンの利用シーンとエンターテインメント価値がさらに広がります。
イーサリアム上のトークンとして、Shibrobiのコンセンサスメカニズム（コンセンサスメカニズムはブロックチェーンネットワークの全参加者が合意に達するためのルール）はイーサリアム自身のプルーフ・オブ・ステーク（PoS、Proof of Stake）に依存しており、これは比較的省エネかつ効率的な取引検証方式です。
トークノミクス
ShibrobiプロジェクトのトークンはSHIBORGで、イーサリアムブロックチェーン上で動作するERC-20トークンです。プロジェクト側の公表データによると、SHIBORGの総供給量は非常に多く、約1京（1 Quintillion）枚です。この巨大な数字は、トークンの単価を非常に小さく見せ、より多くの人を惹きつけるためのものです。
SHIBORGトークンの主な用途は以下の通りです：
- P2Eゲームの報酬として、プレイヤーはゲームをプレイしてSHIBORGトークンを獲得したり、ゲーム内で特定の操作に使用したりできます。
- RobiSwap分散型取引所では、SHIBORGが取引手数料の支払いや流動性提供の報酬（流動性は資産が価格に影響を与えず迅速に売買できる能力）として使われる可能性があります。
- 将来開発されるVRゲームでも、SHIBORGトークンはゲーム内購入やアップグレード、特別な報酬として使われる可能性があります。
現時点で、ホワイトペーパーにはSHIBORGトークンの具体的なインフレ（トークン数の増加）やバーン（トークン数の減少）メカニズム、詳細なトークン配分やアンロック計画についての記載はありません。これらの情報はトークンの長期的価値を評価する上で非常に重要なので、投資家は今後のプロジェクトのアップデートに注意する必要があります。
なお、市場には「SHIBORG INU」という別プロジェクトもあり、こちらもSHIBORGをトークン略称としていますが、バイナンススマートチェーン（BSC）上で動作し、保有者への自動配当や自動流動性追加など異なるトークノミクスを持っています。混同しないようご注意ください。本日ご紹介しているのはイーサリアム基盤のShibrobiプロジェクトです。
チーム、ガバナンス、資金
Shibrobiプロジェクトのコアチームメンバーについては、ホワイトペーパーや公開資料で具体的な氏名は明らかにされていません。多くのミームコインプロジェクトでは分散性やプライバシー保護のため、チームメンバーが匿名であることが一般的です。Shibrobiのホワイトペーパーでは透明性を重視すると述べられていますが、具体的にどのように実現するかは今後の観察が必要です。
ガバナンスメカニズムについては、現時点でShibrobiがどのように分散型ガバナンス（分散型ガバナンスはコミュニティメンバーが投票などでプロジェクトの方向性を決定する仕組み）を実現するか、詳細な説明はありません。つまり、現時点では意思決定権がコアチームに集中している可能性があります。
資金面については、ホワイトペーパーでShibrobiがプロジェクト第3段階でXBotRoboticsに25,000ドルを寄付する計画があり、コミュニティの成長に伴い今後も寄付を継続することを約束しています。これはプロジェクト資金の一部がSTEM教育支援のビジョンに使われることを示しています。しかし、それ以外の金庫規模、資金使用計画、資金備蓄（runway）などの情報は現時点で公開されていません。
ロードマップ
Shibrobiプロジェクトのロードマップは、開発計画と将来ビジョンを描いています：
初期段階
プロジェクト初期は主にデザイン、グラフィック制作、スマートコントラクトやウェブサイトの開発に集中します。これはすべてのブロックチェーンプロジェクトの基礎構築段階です。
中期計画
プロジェクトが一定段階に進むと、ShibrobiはXBotRoboticsに25,000ドルを寄付し、STEM教育活動を支援する予定です。これはプロジェクトの社会的責任感を示しています。
将来の展開
Shibrobiの将来計画は主にコアプロダクトを中心に展開されます：
- RobiSwap分散型取引所： RobiSwapを開発・リリースし、ユーザーに便利なERC-20トークン交換サービスを提供する計画です。
- P2Eゲーム： 「ロックマン」にインスパイアされた「遊んで稼ぐ」ゲームをリリースし、プレイヤーがエンターテインメントを楽しみながらSHIBORGトークンを獲得できるようにします。
- VRゲーム： Oculusプラットフォーム対応のバーチャルリアリティゲームを開発し、ユーザーに没入型体験を提供する計画です。
これらの計画は、ShibrobiがDeFi、ゲーム、メタバース分野での野心を示していますが、具体的な実現時期や進捗についてはコミュニティの継続的な注視が必要です。
一般的なリスクへの注意喚起
いかなる暗号通貨プロジェクトへの投資にもリスクが伴い、Shibrobiも例外ではありません。参加を検討する前に、以下のような一般的なリスクを必ず理解してください：
技術・セキュリティリスク
- スマートコントラクトの脆弱性： ブロックチェーン技術は安全を目指していますが、スマートコントラクト（スマートコントラクトはブロックチェーン上に保存され、事前条件が満たされると自動実行されるプログラム）コードに脆弱性がある場合、悪意ある攻撃で資金損失が発生する可能性があります。
- 開発進捗の不確実性： RobiSwap、P2Eゲーム、VRゲームなどの機能はまだ開発中で、実際のリリース時期や品質、ユーザーの受け入れ度には不確実性があります。
- プラットフォームのセキュリティ： 分散型取引所やゲームプラットフォーム自体もハッキングやその他のセキュリティ脅威にさらされる可能性があります。
経済的リスク
- ミームコイン特有のボラティリティ： Shibrobiはミームコインであり、その価格はコミュニティの感情、SNSのトレンド、市場の投機に大きく左右され、非常に大きな変動があり、短期間で大幅な上昇や下落が起こる可能性があります。
- 流動性リスク： 一部の取引プラットフォームではSHIBORGの取引量や流動性が十分でない場合があり、必要な時に大量のトークンを迅速に売買できず、取引価格に影響を与える可能性があります。
- 市場の受容性： プロジェクトの成功は、そのプロダクト（ゲームやDEXなど）が広くユーザーや市場に受け入れられるかどうかに大きく依存します。
コンプライアンス・運営リスク
- 規制の不確実性： 世界的に暗号通貨に対する規制政策は絶えず変化・整備されており、将来の政策変更がプロジェクト運営やトークン価値に悪影響を及ぼす可能性があります。
- チームの匿名性： コアチームメンバーの匿名性は暗号コミュニティでは一般的ですが、問題発生時の責任追及やコミュニケーションが困難になるなど、プロジェクト運営リスクを高める可能性もあります。
- 長期運営の課題： いかなるプロジェクトも長期的な発展には継続的な資金、開発、コミュニティの支援が必要であり、Shibrobiがこれらの課題を克服できるかは未知数です。
上記情報は参考用であり、いかなる投資助言でもありません。暗号通貨投資は非常に高リスクです。リスクを十分に理解し、専門家に相談した上でご自身の投資判断を行ってください。
検証チェックリスト
Shibrobiプロジェクトを深く調査する際、以下はご自身で確認できる重要な情報です：
ブロックエクスプローラーのコントラクトアドレス
Shibrobi（SHIBORG）のイーサリアム上のスマートコントラクトアドレスは
0x372C95ce229a7af37d141f627d09f6df1dbaa741です。Etherscan（イーサリアムのブロックエクスプローラー）でこのアドレスを検索し、トークンの取引履歴や保有者分布などを確認できます。なお、市場には「SHIBORG INU」という別プロジェクトもあり、バイナンススマートチェーン（BSC）上のコントラクトアドレスは
0x389c13d5be24bED2af35C30F211E042225CB06fFです。これらは別プロジェクトなので、必ずご確認ください。GitHubのアクティビティ
現時点で公開資料にはShibrobiプロジェクトのGitHubリポジトリリンクやコードのアクティビティ情報は明記されていません。技術系プロジェクトにとって、GitHub上のコード更新やコミュニティ貢献は開発進捗や透明性を評価する重要な指標です。
公式ウェブサイト
Shibrobiの公式ウェブサイトは：https://www.shibrobi.com/です。
ホワイトペーパー
Shibrobiのホワイトペーパーリンクは：https://assets.website-files.com/61fc1214970e9a195aad6db4/6212e270e4ac7a0a4540d3e8_ShibRobi-Whitepaper-v1.0.pdfです。
監査レポート
現時点でShibrobiのホワイトペーパーには第三者によるセキュリティ監査レポートの記載はありません。セキュリティ監査はスマートコントラクトプロジェクトにとって非常に重要で、潜在的な脆弱性やリスクの発見に役立ちます。
プロジェクトまとめ
総じて、Shibrobi（SHIBORG）はイーサリアムブロックチェーンを基盤としたミームコインプロジェクトで、人気の「柴犬」と「サイボーグ」文化を分散型金融、ゲーム、バーチャルリアリティ体験と組み合わせようとしています。RobiSwap分散型取引所、P2Eゲーム、VRゲームなどのエンターテインメントや金融アプリケーションを提供するだけでなく、チャリティ寄付を通じてSTEM教育を支援する点がミームコインプロジェクトとしては珍しい特徴です。
しかし、ミームコインプロジェクトとして、Shibrobiは暗号通貨市場特有の高いボラティリティ、流動性の不確実性、潜在的な技術・運営リスクにも直面しています。チームの匿名性も一定の課題となり得ます。プロジェクトは壮大なビジョンと興味深いユースケースを掲げていますが、その具体的な実現、市場での受容、長期的な発展は今後の検証が必要です。
Shibrobiや他の暗号通貨プロジェクトへの参加を検討する際は、必ず十分な独自調査（DYOR、Do Your Own Research）を行い、ホワイトペーパーをよく読み、プロジェクトの最新動向やコミュニティの議論を注視し、ご自身のリスク許容度を十分に評価してください。繰り返しになりますが、上記内容はいかなる投資助言でもありません。