Ties.DB：分散型アプリケーションのための分布式データベース

Ties.DBプロジェクト紹介

皆さん、こんにちは！今日はTies.DBというブロックチェーンプロジェクトについてお話しします。ブロックチェーンについては聞いたことがあるかもしれませんが、それは分散型台帳のようなものです。しかし、データの保存はどうでしょうか？私たちが普段使っているアプリ、例えばWeChatや淘宝などのデータは、中央集権型サーバーに保存されています。Ties.DBは、ブロックチェーンの世界で分散型データストレージソリューションを提供しようとしています。

Ties.DBとは

普段使っているデータベースを図書館に例えると、すべての本（データ）が一箇所に集められ、図書館の管理者（中央サーバー）が管理しています。本を探したい場合は管理者に聞かなければなりません。一方、Ties.DBは分散型データベースを目指しており、世界中に広がる管理者のいない図書館ネットワークのようなものです。本（データ）は様々な場所に分散していますが、誰でもその真偽を確認できます。

具体的には、Ties.DBは分散型分布式データベース管理システムであり、Ethereumプラットフォーム上で動作します。分散型アプリケーション（DApps）に対して、安全で公開され、信頼不要なデータストレージソリューションを提供することを目指しています。ブロックチェーン世界の「データ倉庫」と考えることができ、金融以外のデータ、例えばユーザーのプロフィール、SNSコンテンツ、ドキュメント、動画などの保存に特化しています。

主な利用シーン： 大量の非金融データを保存する必要がある分散型アプリケーションは、Ties.DBの利用を検討できます。例えば、分散型SNS、メッセージアプリ、メディアプラットフォーム、大規模な百科事典などです。

プロジェクトのビジョンと価値提案

Ties.DBのビジョンは、現在のブロックチェーンアプリケーションが直面している核心的な課題、すなわちデータの分散型保存を解決することです。多くのDAppsはブロックチェーン上で動作していますが、データは依然として従来の中央集権型データベースに保存されていることが多く、真の意味で「分散型」とは言えず、単一障害点や検閲リスクが残っています。

Ties.DBは、公共・分散型・分布式のNoSQLデータベース（NoSQLは非リレーショナル型で、非構造化データの保存に適しています）を提供することで、DAppsがエンドツーエンドで真の分散型を実現できるようにしたいと考えています。データベースの柔軟性と適応性を強調し、Ethereum、Ark、Waves、Rchainなど様々なブロックチェーンプロジェクトをサポートできます。

類似プロジェクトとの違い： 従来のデータベース（MongoDBやCassandraなど）は中央集権型で、単一の組織がアクセス権を管理しています。Ties.DBは完全な分散型データベースであり、ネットワーク内のすべてのノードが平等で、誰でもネットワークに参加してノードになれます。ユーザーがデータを真の分散型ストレージに保存できるインフラを提供することを目指しています。

技術的特徴

Ties.DBの技術的な特徴を、分かりやすい例えで説明します：

• 分散型NoSQLデータベース： 固定の本棚がないが、すべての本にユニークなラベルが付いている図書館のようなものです。どこに本があるか知らなくても、すぐに見つけることができます。NoSQLデータベースは柔軟性があり、テキストファイル、ユーザープロフィール、画像、動画など様々なデータの保存に適しています。
• 分布式ストレージ： データは一台のサーバーに集中して保存されるのではなく、ネットワーク内の複数のノードに分散して保存されます。自分のPCだけでなく、友人のPCにも同時にバックアップされているようなものです。どれか一台が故障しても、データは失われません。
• シャーディング技術： 巨大な図書館が効率化のために蔵書を小さなエリアに分け、それぞれ異なる管理者が担当するようなものです。Ties.DBも同様にシャーディング技術を採用し、データを異なるノードに分散させることで、処理速度・安定性・安全性を向上させています。
• オフチェーン計算とオンチェーンメタ情報： 高速化のため、Ties.DBの多くのデータ操作（読み書きなど）はオフチェーン（off-chain）で行われます。友人と直接情報交換するような速さです。しかし、重要なメタ情報（データのインデックスや所有者など）はブロックチェーン上に記録され、改ざん不可かつ分散型を保証します。図書館の目録（メタ情報）は公開・改ざん不可ですが、実際の本の内容（データ）は素早く借りられるイメージです。
• ノード支払いシステム： 分散型図書館ネットワークの維持にはコストがかかるため、Ties.DBはストレージサービスを提供するノードに対して、データ保存ユーザーが料金を支払う仕組みを設計しています。この支払いにはTIEトークンが使われます。

トークンエコノミクス

Ties.DBプロジェクトのネイティブトークンはTIEです。

• トークンシンボル： TIE
• 発行チェーン： Ethereum（イーサリアム）
• 総供給量と流通： Ties.DBの総供給量は約59,251,278 TIEで、そのうち約40,820,991 TIEが流通しています。
• トークン用途：
  • サービス支払い： TIEトークンは主にTies.DBのデータストレージサービス料金の支払いに使われます。TIEトークン保有者は割引価格でTies.DBのサービスを購入できます。
  • ノード報酬： データストレージサービスを提供するノードは、報酬としてTIEトークンを受け取ります。
• 発行メカニズム： TIEトークンは2017年10月のICOで950万ドル以上を調達しました。
• 現在と今後の流通： 現在TIEトークンの市場取引量は非常に低く、一部のプラットフォームではゼロと表示されています。流動性が非常に低く、売買が困難な可能性があります。

チーム、ガバナンス、資金

過去の情報によると、Ties.DBのICO期間の主要メンバーはAlexander Neymark（CEO兼創設者）、Dmitry Kochin、Anton Filatovです。プロジェクトはTies.Networkチームによって開発されました。

プロジェクトの具体的なガバナンスメカニズム（コミュニティ投票やDAOなど）については、公開情報が少ないです。資金は主に2017年のICOで調達された950万ドル以上が原資です。

ロードマップ

Ties.DBプロジェクトは過去数年間、2018年から2022年にかけていくつかの重要なアップデートと計画を発表しています：

• 2017年10月： ICO完了、950万ドル以上を調達。
• 2018年1月： Ties.DBのローンチ計画を発表、世界初の分散型・公共NoSQLデータベースを目指す。
• 2018年4月： Ties.DBのリリースを予定。
• 2018年9月： Ties.DB v0.1.1をリリース、完全なCRUD（作成・読み取り・更新・削除）サポートとプロトコル内のスキーマ取得機能を導入。
• 2018年10月： Ties.DBのデスクトップGUIマネージャーをリリース、スキーマ作成やデータクエリ提出の可視化ツールを提供。
• 2019年3月： Ties.DB v0.1.3でシャーディングサポートとコーディネーターエンティティによるクラスタ機能を導入、速度・安定性・安全性を向上。
• 2020年12月： ファイルストレージシステム「Oasis FS」クローズドベータ版をリリース。
• 2021年9月： TiesDBオペレーション支払いバージョンをリリース、ノードへの運用支払いの受け入れと処理を目指す。
• 2021年12月： TiesDB v0.2.0-ALPHAをリリース、ノード決済システムを全面的に改訂・再実装、「Crops」概念を導入し運用コスト支払いに対応。
• 2202年4月1日： TiesDB v0.2.1-ALPHAをリリース、自動ノード支払いプロセスの初期バージョンを実装、TiesDB Satellitesによる小切手交換を実現。

今後の重要な計画： 2022年4月以降、公式のアップデートやロードマップ情報は非常に限られています。GitHubリポジトリの最新バージョンも2022年4月が最後です。

主なリスクの注意喚起

どんなブロックチェーンプロジェクトでも警戒が必要ですが、Ties.DBも例外ではありません。以下のリスクに注意してください：

• プロジェクト活動性リスク： 公開情報によると、Ties.DBの主な開発・更新活動は数年前に集中しており、最近のGitHub更新は2022年4月で止まっています。活動性が低い、または開発の重点が移った可能性があり、追加の確認が必要です。
• 市場流動性リスク： TIEトークンの取引量は非常に低く、一部取引所ではゼロと表示されています。購入や売却が困難で、価格変動も激しい可能性があります。
• 技術・セキュリティリスク： すべてのソフトウェアプロジェクトには技術的な脆弱性リスクがあります。分散型データベースとしてセキュリティは極めて重要で、継続的な監査とアップデートが必要です。
• 競争リスク： ブロックチェーン分野は急速に発展しており、新しい分散型ストレージソリューションが次々と登場しています。Ties.DBは激しい市場競争に直面しています。
• コンプライアンス・運営リスク： ブロックチェーン・暗号資産分野の規制環境は常に変化しており、プロジェクト運営に影響を与える可能性があります。

ご注意： 上記情報は参考用であり、投資助言ではありません。暗号資産市場は変動が激しく、投資にはリスクが伴います。十分なデューデリジェンスを行ってください。

検証チェックリスト

• ブロックチェーンエクスプローラーのコントラクトアドレス： TIEトークンはEthereumベースのERC-20トークンであり、Ethereumブロックチェーンエクスプローラーでコントラクトアドレスやオンチェーン活動を確認できます。
• GitHub活動性： Ties.DBのGitHubリポジトリ（TiesNetwork/ties.db）では、最新リリースはv0.2.1-ALPHAで、2022年4月1日です。コードベースの主な言語はJavaです。
• 公式サイト・SNS： Ties.Networkの公式サイト（現存する場合）やMediumブログを確認し、最新の公式情報を入手することを推奨します。

プロジェクトまとめ

Ties.DBは、ブロックチェーン初期（2017年ICO）から分散型データストレージ問題の解決に取り組んできたプロジェクトです。分散型NoSQLデータベースという革新的なソリューションを提案し、DAppsに信頼不要・安全・堅牢なデータストレージ基盤を提供することで、真の分散型を実現しようとしています。技術的特徴は分布式ストレージ、シャーディング技術、オフチェーン計算とオンチェーンメタ情報の組み合わせで、効率と分散型を両立しています。TIEトークンはエコシステムの燃料として、サービス支払いとノード報酬に使われます。

しかし、公開情報によれば、プロジェクトの主な活動期は2018年～2022年に集中しており、その後公式アップデートや市場活動は大きく減少しています。TIEトークンの取引量も極めて低く、市場流動性は乏しいです。Ties.DBに興味がある方は、プロジェクトの活動性、市場流動性、暗号資産投資固有のリスクを十分に調査・検討することを強く推奨します。これは投資助言ではありませんので、必ずご自身で判断してください。

詳細はご自身でご調査ください。